ExifLens
← ガイド一覧に戻る

日の出・日の入り撮影のための最適なカメラ設定

執筆 · 2026年8月27日 · 2026年10月2日 更新 · 7分で読めます

低い位置の太陽が海に光の道を落とす夕景
Photo by Bimbolat Vaziev on Unsplash

日の出と日の入りは写真の中でも特に人気のある被写体であると同時に、正確に露出を合わせるのが特に難しい被写体の一つでもあります。同じフレームの中に極端に明るい部分(太陽そのもの)と比較的暗い部分(前景)が共存し、撮影中ずっと光が変化し続けるためです。この2つの問題への対処法を見ていきましょう。

最大の課題:ダイナミックレンジ

太陽がフレームに入る場面では、最も明るい部分と最も暗い部分の差、つまりダイナミックレンジが、1回の露出ではきれいに収まりきらないほど広いことがよくあります。空に合わせて露出すると前景は暗く沈んでシルエットになり、前景に合わせると空は白く飛んでディテールを失います。どちらも厳密には間違いではありません。色鮮やかな空を背景にしたシルエットは、それ自体が正統で人気のある表現です。ただし、偶然そうなるのではなく、意図して選ぶことが大切です。

絞りと被写界深度

絞りを絞る(f/11〜f/16)ことは、ここで二重の役割を果たします。手前から地平線まで広い景色をシャープに保てるうえ、太陽がフレーム内にある場合は、多くの日の出・日の入り写真に見られる太陽周りの星型の光芒(スターバースト)も生み出します。この効果は絞るほど顕著になるので、絞り込むことには技術面だけでなく表現面でもはっきりした見返りがあります。特定のF値でシャープネスがどれだけ増減するか確認したいときは、高度な被写界深度・回折計算機で、お使いのセンサーで回折が画質を甘くし始めるポイントを確認できます。

測光:平均値を信用しない

カメラの標準の測光モードはフレーム全体の明るさを平均します。太陽が写っていると、その平均が「明るすぎる」方向へ引っ張られ、それ以外の部分が露出アンダーになります。太陽そのものでも最も暗い影でもなく、場面の中間調の部分でスポット測光すると、より役に立つ出発点の露出が得られます。そこから、屋外の強い光では当てにならない背面液晶ではなくヒストグラムを確認するのが、空を飛ばしていないか、前景を意図以上に潰していないかを確かめる最も確実な方法です。

ハーフNDフィルター:撮影時にレンジを圧縮する

上が暗く下が透明なハーフND(グラデーションND)フィルターは、撮影の時点で空の明るさを前景に対して抑えられます。同じ範囲を後から編集で復元しようとするより効果的なことが多くあります。野原、砂浜、海のように水平線が比較的まっすぐな場面では、ハードエッジのフィルターを水平線にきれいに合わせられるため特に有効です。

ホワイトバランス:暖かさを残す

オートホワイトバランスは、ゴールデンアワーのオレンジやピンクの色合いを光の本来の色ではなく補正すべき色かぶりとみなして、中和しようとすることがあります。ホワイトバランスをオートではなく太陽光や曇りに手動設定すると、その暖かさがより残りやすくなります。RAWで撮影するなら、この設定は固定されず、カメラ内でどれを選んでいても後から調整できます。この種の撮影でRAWを検討したい理由がまた一つ増えます。

タイミング:光は速く変わる

最も劇的な色は、太陽が地平線に触れる瞬間ではなく、日の出前や日没後の20〜30分に現れることが多いものです。「ブルーアワー」と呼ばれることもあるこの時間帯は、直射光が消えた後も空に深い青やピンクが現れます。一番良さそうな一瞬だけを狙って来るのではなく、早く着いて遅くまで残りましょう。光は絶え間なく移ろい、最も役に立つカットは、特に狙っていないときに撮れることもあります。ゴールデンアワー計算機を使えば、撮影場所と日付の時刻が分かり、当て推量ではなく計画を立てられます。

計算例:空は前景より何段明るいか

ダイナミックレンジの問題を数字で確かめてみましょう。平らな砂浜で、ISO 100、f/11で撮影するとします。地平線のすぐ上の明るい空をスポット測光すると1/500秒、手前の暗い砂をスポット測光すると1/60秒になりました。

  • 2つのシャッタースピードの比は、500 ÷ 60 で約8.3です。
  • 1段は2倍で、2の3乗が8なので、差はおよそ3段です。

つまり空は前景より約3段明るいことになります。水平線に合わせた3段のハーフNDフィルター(0.9と表記されることもあります)を使えば、空を前景と同じ明るさまで落とせるので、どちらも約1/60秒で露出できます。フィルターがない場合の選択肢は、ブラケット撮影をするか、シルエットを受け入れるかの2つです。露出補正マイナス2、0、プラス2EVの3枚ブラケットは、最も暗い写真と最も明るい写真の間で4段分をカバーするので、3段の差には余裕をもって対応できます。ブラケティング計算機がシーケンスを作成し、露出段数計算機で任意の2つの設定の差を検算できます。

ブルーアワーの2つ目の例です。ISO 100、f/8で適正露出が1/15秒だとします。日没後は光が急速に弱まり、1段暗くなるたびにシャッター時間は2倍になります。1/15秒は1段後に1/8秒、2段後に1/4秒です。この段階で三脚は必須になります。

よくある間違い

  • 太陽に測光する。 測光が強烈に明るい点を見て、全体を暗くしてしまいます。近くの中間調で測光しましょう。
  • 屋外で背面液晶を信じる。 画面が反射でどう見えるかではなく、ヒストグラムで露出を判断しましょう。
  • オートホワイトバランスのまま、色がどこへ行ったのかと悩む。 太陽光や曇りに切り替えて比べてみましょう。
  • 太陽が沈んだら片付けてしまう。 色はその後にピークを迎えることが多くあります。

限界:この設定が当てはまらない場合

ここまでの内容は、晴れまたは薄曇りの空にある低い太陽を前提にしています。空が一面の曇りならダイナミックレンジは小さく、ハーフNDフィルターはフレームの上部を暗く不自然にするだけです。移動中の車や船から撮影する場合、絞り込むとシャッタースピードが遅くなりすぎるので、ISOを上げて絞りを開ける必要があります。また、ハーフNDは比較的まっすぐな水平線を前提とします。山、建物、木が水平線から突き出ていると、フィルターがそれらも暗くしてしまうため、ブラケット撮影での合成のほうが適した手段になることが多いでしょう。

実際の流れ

日の出の40分前に砂浜に着きます。三脚を立て、RAWに切り替え、ホワイトバランスを太陽光に設定します。f/11、ISO 100の最初のカットで前景が暗いので、砂でスポット測光し、ヒストグラムを確認してから、水平線に合わせてハーフNDフィルターを装着します。太陽が水平線に近づいたら念のため3枚ブラケットを撮り、昇った後も20分撮影を続けます。波に当たる暖かい光は、日の出そのものよりも良いことが多いからです。タイムラプスを撮るなら、先にタイムラプス計算機で間隔を計画しましょう。

かんたんチェックリスト

  • 日の出・日の入りの時刻を確認し、早めに到着する。
  • RAW、三脚、ホワイトバランスを意図して設定する。
  • 被写界深度とスターバーストのためにf/11〜f/16を使う。
  • 中間調でスポット測光し、ヒストグラムを確認する。
  • 空が約2段より明るいなら、フィルターかブラケットを使う。
  • 太陽がフレームから去った後も撮り続ける。

よくある質問

夕焼けはオート露出とマニュアル露出のどちらがよいですか?

どちらでも構いません。私たちは通常、絞り優先かマニュアルで始め、ヒストグラムを確認しながら、光が落ちるにつれて露出補正や手動調整を続けます。場面が刻々と変わるためです。

RAWで撮るならハーフNDフィルターは不要ですか?

必ずしもそうではありません。最近のセンサーは暗部のディテールをかなり復元できるので、ブラケットや丁寧な編集でも対応できます。フィルターは撮影の時点で結果を整えられるため、後作業の時間を節約できるというだけです。