秋は写真を撮るのにいい季節と言われますが、いざカメラを持つと、何をどう撮ればいいのか迷うことがよくあります。空は高く澄んでいるのに写真にすると平坦だったり、花はきれいなのに背景がごちゃごちゃして写ったりします。
この記事では、2024年と2025年の秋に自分で撮った写真8枚をもとに、秋に撮れる風景6つと、それぞれの撮影設定(EXIF)をまとめました。コスモス、落ち葉の積もった道、トンボ、空の下の構造物、東屋と空を通る飛行機まで、続けて紹介します。
Canon EOS R5 Mark II · RF100mm F2.8 L MACRO IS USM · 100mm · F2.8 · ISO 50 · 1/2500秒 · 2025-10-17
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秋の風景撮影、何を撮れるでしょうか
秋は、色と光が季節の中でもっともはっきりする時期です。空の青が深まり、花や落ち葉の色が鮮やかになり、太陽が低くなって、同じ場所でも光の質が変わります。下の表は、この記事で扱う6つの風景と、そのポイントとなる設定を一覧にしたものです。
| 秋の風景 | ポイント | この記事の例の設定 |
|---|---|---|
| 1. 空とコスモス | 花より低い位置から見上げて、空を背景に | 100mm · F2.8 · 1/2500秒 |
| 2. 一輪の花 | 絞りを開いて、背景を色のかたまりに | 100mm · F3.2 · 1/500秒 |
| 3. 見上げた花畑 | 地面の近くで、茎と花を空と一緒に | 70mm · F8 · 1/400秒 |
| 4. 落ち葉の積もった道 | 地面の高さまで下げて、手前はぼかし、遠くに物語を | 100mm · F5.6 · 1/200秒 |
| 5. 空の下の小さな主役 | 青い空を背景にトンボと構造物 | 200mm · F2.8 · 1/4000秒 |
| 6. 東屋と空 | 風景の上を通る飛行機一点 | 100mm · F2.8〜F3.2 · 1/1250秒以上 |
青い秋空とコスモスを一緒に撮ります
秋の空は、空気が澄んでいると青が深まって、花の色を引き立てる背景になります。この方法は、花より低い位置から上を見上げて撮り、空を背景に使うものです。上の写真は、コスモスの一輪を下から見上げて撮ったので、背景が青い空と雲でいっぱいになりました。
100mmのマクロレンズをF2.8に開いて背景をやわらかくほどき、シャッターは1/2500秒と速くしました。明るい空が画面に多く入ると、カメラが露出を明るめに取りやすく、空が白く飛んでしまうことがあります。空の青が生きているかモニターで確認して、必要なら露出補正をマイナスに下げてください。
同じ明るさになる組み合わせは、いくつもあります。F2.8の1/2500秒(ISO 50)は、F5.6の約1/640秒、F8の約1/320秒と同じ明るさです。背景をどれだけぼかすかで絞りを選び、シャッターはその値に合わせて調整すればよいのです。絞りと被写界深度の関係は、被写界深度を理解するガイドで詳しくご覧いただけます。
一輪の花を大きく、背景は色のかたまりに
花畑が広く見えても、一輪に集中すると写真がはっきりします。下の写真のように、一輪の花を画面の真ん中に大きく置き、前後の花や草はぼけた色のかたまりとして残す方法です。
Canon EOS R5 Mark II · RF100mm F2.8 L MACRO IS USM · 100mm · F3.2 · ISO 50 · 1/500秒 · 2025-10-17
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花の中心がいちばんくっきり見えるようにピントを置き、F3.2で背景をほどきました。絞りを開くほどピントが合う範囲は薄くなるので、花びら全体をはっきり写したいなら、花の面とカメラのセンサーをできるだけ平行に合わせるか、絞りを少し絞ってください。近くで撮るマクロ撮影の被写界深度と回折については、マクロ撮影の基礎ガイドが役に立ちます。
背景が緑色のかたまりに整理されると、濃いピンクの花が補色の対比で際立ちます。写真の中で花以外に目に入るものがないか、シャッターの前に一度確認するとよいでしょう。
低い視線で見る秋:見上げた花畑と落ち葉の道
人の目の高さで撮ると、誰もが見る場面になります。地面の近くまでカメラを下げると、手前はぼけて遠くのものが背景になり、同じ場所でも違う写真になります。下の2枚は、どちらも低い位置から上と前を見て撮りました。


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左の写真は、花畑の中から茎と花を見上げた様子です。70mmでF8に絞って、中央の花と周りの茎を比較的くっきり写し、手前の近くにある濃い赤の花を大きくぼかして奥行きを作りました。この写真を撮ったR7はAPS-Cセンサーなので、35mm換算で約112mm(70mm × 1.6倍)の画角で写った場面です。換算の方法はクロップファクター計算機で確認できます。
右の写真は、落ち葉の積もった道端に、カメラをほぼ地面の高さまで下げた場面です。手前の落ち葉はやわらかくぼけ、ピントは欄干の下のボルトと中間距離の落ち葉にあり、遠くの自転車に乗った人はぼんやりと見えます。手前はぼけて遠くに物語があるので、落ち葉の色が手前から道案内をする構図になります。F5.6、1/200秒で撮って、ぼけの程度を適度に残しました。
地面で撮るときは、カメラのバリアングル液晶を活用すると楽で、土や水気で服や機材が汚れないように、防水マットやビニールを用意するとよいでしょう。
空の下の小さな主役:トンボと構造物
青い空は、シンプルできれいな背景になってくれます。空が画面の大部分を占めるようにして、その中に小さな被写体を一つだけ置くと、視線がすぐそこへ向かいます。下の2枚は、どちらも夕方近く、太陽が低くなった頃に、青い空を背景にして撮りました。


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左の写真は、枯れた実の先に止まったトンボです。200mmでF2.8に開いて、後ろの空と手前の実の両方をやわらかくほどき、シャッターは1/4000秒と速くして、わずかな動きにも備えました。APS-CセンサーのR7では、200mmが35mm換算で約320mmの画角になるので、虫に近づかなくても大きく写せます。
右の写真は、赤い羽根を持つ構造物を正面から撮った様子です。81mm(換算約130mm)でF2.8、1/3200秒で撮り、下のコスモス畑がぼけたピンクの点として残って、青い空と赤い羽根の間に色の層を作ります。赤と青はお互いに補色に近く、空を背景にするとよく目立ちます。
青い空をより濃く出したいなら、偏光フィルターを使う方法もあります。空が暗く写って雲が引き立ちますが、レンズの前につけると光が減るので、シャッタースピードがその分遅くなる点を考えてください。
東屋と空、風景の中を通る飛行機
風景写真に動く被写体が一つ入ると、物語が生まれます。下の2枚は、同じ東屋を別の時刻に撮ったもので、どちらも東屋と木の上を旅客機が低く通り過ぎる瞬間です。


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2枚とも100mmの望遠の画角で撮りました。望遠レンズは、遠くにある東屋と木を圧縮して近くに集めて見せるので、空と東屋の間の距離が縮まり、一つの画面に飛行機と風景が一緒に収まります。雲の形と色が2枚でそれぞれ違うので、同じ場所でもまったく違う雰囲気になります。
飛行機のように動きのある被写体は、シャッターを速くしないとくっきり撮れません。この写真では1/1250秒と1/2000秒を使いました。飛行機が通る瞬間を待つ必要があるので、先に構図を決めて、東屋と木を画面の下側に配置し、空を広く空けておくと、飛行機が入る場所ができます。
秋の風景撮影の設定を一覧で見ます
この記事に載せた8枚の設定を、一つの表にまとめました。同じ絞りでも、被写体と距離によって印象が変わる点を比べてみてください。
| 写真 | カメラ | 焦点距離 | 絞り | シャッター | ISO |
|---|---|---|---|---|---|
| コスモスと青い空 | R5 Mark II | 100mm | F2.8 | 1/2500秒 | 50 |
| 濃いピンクのコスモス一輪 | R5 Mark II | 100mm | F3.2 | 1/500秒 | 50 |
| 見上げたコスモス畑 | R7 | 70mm | F8 | 1/400秒 | 100 |
| 落ち葉の積もった道 | R5 Mark II | 100mm | F5.6 | 1/200秒 | 50 |
| トンボ | R7 | 200mm | F2.8 | 1/4000秒 | 100 |
| 空の下の構造物 | R7 | 81mm | F2.8 | 1/3200秒 | 100 |
| 東屋と飛行機(1) | R5 Mark II | 100mm | F3.2 | 1/1250秒 | 50 |
| 東屋と飛行機(2) | R5 Mark II | 100mm | F2.8 | 1/2000秒 | 50 |
秋は昼も日差しが強く、ISOを低く保ってシャッターを速く使うのに向いた季節です。8枚すべて、ISOは50か100でした。それぞれの設定の意味は、ISO・シャッタースピード・絞りのガイドにまとめてあります。
チェックリスト
- 花と空を一緒に撮りたいとき、カメラを花より低いところへ下げて見上げましたか
- 背景が複雑なら、絞りを開いて色のかたまりに整理しましたか
- 空が白く飛んでいないか、青が十分に残っているか確認しましたか
- トンボや飛行機のように動く被写体は、シャッターを1/1000秒以上と速くしましたか
- 地面の近くで撮るとき、ピントが合う場所とぼける場所を意図的に決めましたか
よくある失敗:秋の写真が平坦になる理由
もっとも多い失敗は、風景全体を一枚に収めようとすることです。紅葉でも花畑でも、広く撮ると、どこを見ればいいかわからなくなることが多いのです。一輪、一か所を決めて大きく撮り、残りは背景にすると、写真がはっきりします。
空が明るい日に露出をカメラに任せると、空が白く飛んだり、被写体が暗く写ったりしやすくなります。モニターでヒストグラムやハイライト警告を確認して、露出補正を少しずつ調整してください。動く被写体を1/250秒以下の遅いシャッターで撮るのも、よくある失敗です。虫や飛行機は、1/1000秒以上を基本にするのが安全です。
低い視線で撮るとき、レンズの前に近くの草や落ち葉が意図せず画面にかかることもよくあります。かかっているものが構図の助けになるか確認し、邪魔ならカメラの位置を少しだけ動かしてみてください。最後に、太陽が低くなるときの光はすぐ変わるので、撮影の前に太陽の位置と時刻をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。日の出・日の入りとゴールデンアワーの時刻は、ゴールデンアワー計算機で確認できます。
よくある質問
秋の風景写真は、一日のうちいつ撮るのがよいですか?
太陽が低い早朝と夕方近くは、光がやわらかく、色が暖かく出るのでおすすめです。この記事のR7の写真3枚は夕方近くに、R5 Mark IIの写真は昼間に撮りましたが、昼間は空が青くコントラストが強く、夕方近くは光が低く色が深くなります。どちらでも、被写体に合う光を選べばよいのです。
秋の空を青く撮るには、どうしますか?
露出を少し下げると空の青が濃くなり、偏光フィルターを使うと、空の青と雲のコントラストが生きます。ただし、空が暗くなるほど被写体も暗くなることがあるので、モニターで一緒に確認してください。
花の写真で背景をぼかすには、絞りをどう設定しますか?
絞り値を小さく(F2.8〜F4程度)開き、被写体に近づき、背景と被写体の間の距離を離すと、背景がよりぼけます。ピントが合う範囲が薄くなるので、花の中心や花びらのもっとも大事な部分にピントを合わせてください。距離と絞りによる被写界深度の変化は、被写界深度計算機で確認できます。
APS-Cカメラで望遠撮影をすると、何が変わりますか?
APS-Cセンサーは、同じレンズを使うと画角が狭くなり、より遠くから撮ったように見えます。Canon R7は換算倍率が1.6倍なので、200mmのレンズが35mm換算で約320mmの画角で写ります。虫や遠い風景を大きく写すのに有利で、換算の方法はセンサーサイズとクロップファクターのガイドでご覧いただけます。
まとめ
秋の風景は、空の青、花や落ち葉の色、低くなった日差しを活用すると、もっともよく写ります。見上げたり低い視線から撮ったりすると、同じ場所でも違う写真になり、絞りを開いて背景を整理すると、被写体がはっきりします。動く被写体は、シャッターを1/1000秒以上と速くしてください。光の向きと時間帯による撮影設定は、日の出・日の入りの撮影設定ガイドで続きをご覧いただけます。
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